もう先々週になってしまうけど、鳥山 明先生が亡くなったと言うニュースがアチコチで流れていた。
人が死んで、珍しく結構寂しい気分になった。
「記念品」の日付を見たらもう20年近く前、おもちゃのタカラトミーさん関係の仕事で、鳥山先生デザインの電気自動車を造るプロジェクトにモデラーとして呼ばれた事があった。
車体のベースはゴルフ場で使われる電動カートだっただろうか?
実はほとんどの造形部分を我々が造ったのだけど、下請けの下請けと言う立場なので鳥山先生がデザインチェックに来られた時に「何もしてないお偉いさん達」がお相手をしたら、鳥山先生はその方々を思いきり無視して突然 自分に向かって「ココの部分、ナンだかつまらないと思いませんか? どうしたら良いかなー?」っと聞いてこられた。フロントセクションのアウトレットダクト「カマボコ」が当初は4っつしかなかったからだ。
自分に聞いてこられたのは多分、風貌的に変な奴だと興味を持たれた為だろう。
それに対して自分が「ココはもっと沢山レイアウトした方が遊び心があって楽しいですね」っと言ったら、「この人、面白っ、そうしましょう~!」っとなって結局、その部分のモデリング修正は自分が担当する事になり、余計な仕事を増やして自分で自分の首を絞めるような結果になった。
その事は別としても「そのへんの居酒屋にいそうな感じ」の先生なのに、画像のやり取りだけのリモートチェック時にも「形状」に対しての感覚とご指摘が鋭くて、アラレちゃんもドラゴンボールも見たことは無いながら大ファンになった。
亡くなられたニュースを見て鳥山先生を思い出すのは大変申し訳ないながら、まだ自分より4つしか先輩じゃないし、寂しい事この上ない。
記念品に書かれた先生のサインが急に薄くなって消えそうに見えてきた。