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Mirage Auto Design

以前、CADと3Dプリントでヘッドライトベゼルを製作するブログでちょっと登場した「Anubis RX-7」。
Abflug時代から かれこれもう20年以上に渡って、しかも毎年のようにOne&Onlyでのモデリング作業を担当させて頂いている車である。

Mirage Auto Design(以後MAD)の立ち上げ後も転注して頂き、フロントバンパー&フェンダーなどのリメイクに加えヘッドライトユニットやリアセクションの新規製作が、幾度も壁にぶち当たりながらも牛歩の如く進行している。

Anubisはそのデザインにおいてオーナーさんも完全に開き直っている「賛否両論上等思考」だ。
造形中の打ち合わせにて「う〜ん、良い感じに気持ち悪くなって来ましたね〜♪」っとおっしゃられた時はデザインにOkが出たのだと、いつの間にか理解出来るようになってしまった。

万人ウケは元より「100人中99人に嫌われても気にしない」と言う信念は、時として残る1人から熱烈的な支持を受ける。
国内にもAnubis Projectを応援してくださる方は沢山いらっしゃるが、海外では様々なメディアに取り上げられ、SNSでは熱烈なファンからの反響が物凄い。
「ブレない潔さ」が人を惹きつけるのだろう。

Abflug社にてエアロパーツの開発に携わっていた そのスタート当初はZ32、Supra、ARISTO、SILVIAなど「造れば売れる」時期が暫く続いていた。
「自分が気に入ったように造る」と言う無邪気さが功を奏したのと、たまたま時勢がマッチしていたのかも知れない。

しかしながら大ヒットしたSILVIA13の後継モデル S14やSkyline GTS33あたりから「どんな感じにしたら売れるだろうか?」と言うヨコシマな考えに傾いてしまい駄作を連発させた。勿論あまり売れた記憶も無い。

以後、多少のName valueと多額の宣伝広告費が手伝ってなんとか色々と新作を出し続けたが、「久し振りに楽しみながら造った」と言えるS900 Supraまではトンネルに入っていた気分だ。

「もう引退した」っと周囲にはうそぶきながら、相変わらずデザインやモデリングに携わっている今なのだが、なんとなく「産むべき形」が自分の中にずっと残っているような気がしている。
このモヤモヤ感は如何ともし難い。

Anubisのオーナーさん同様に「自身が完全に満足するまで妥協しない姿勢」で向き合えるのは、現在作業場にセットされているPORSCHE Boxsterだろうか?
採用予定の超お気に入りのホイールをBoxsterの横に並べたまま「何もしない」のは、単に色々と忙しいと言うだけで「イメージが固まるのを待っている」などと言うカッコイイ理由ではない。

PS: 我が社のPochisuke君がめちゃくちゃPUREな気持ちでROADSTERに取り組もうとしている。
そうでなくちゃね! 応援するぜっ!!